第10章

久世玲央の友人たちは、久世美月が玲央の「公に認められた実の妹」だということしか知らない。

一方で酒井初音は、彼らの目には玲央のそばにいる使い走り――そんなふうに映っていた。

玲央がT大で喧嘩をして、授業をサボって、地下の闇ボクシングに出て、夜は寮に戻らず、寮監に悪戯までして……そのツケをかぶって罰を受けるのは、いつだって酒井初音だった。

玲央の周りの連中にとっては、もはや見慣れた光景。

要するに――酒井初音に罪をかぶせておけば間違いない。

だから口々に便乗する。

「そうだよ、酒井初音。嘘つくなって。自分がカンニングしただけでも最低なのに、他人まで巻き込んで一緒に退学になりたいのか...

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